2026/1/8
採用
【執行役員 株田達矢】蒸気機関は50年、生成AIは4年で世界を変えた―産業革命を超える変革期の今、生成AIに挑む

快活で明朗。言葉での説明は抜群に上手く、文字上のコミュニケーションも丁寧で、いつだって気遣いと配慮に満ちた”言葉が足りる”紳士。
改めて今回のインタビューの場を設けて感じたのは、”言葉が足りる”、ということは、足りないということをあらゆる面で知っている裏返しであり、足りるための努力を重ねて来ている、ということ。
どこまでも謙虚なあり方や話しぶりは、道理と美点をまっすぐ捉える鋭さと冷静さ、歴史から眺める時間感覚、即座に多様な面を想定する想像力、尽きない好奇心と探究心が掛け合わされたキャラクターの中に、コンサルタントとして鍛えられた言語化力や読解力が加わることで洗練されていったのだろうと想像する。
”言葉が足りる”紳士の存在は大きく、彼の参画により、組織の根幹がまた数段強くなったと感じるが、彼自身はどんなふうに捉えているのだろうか。
大学院の同級生から変革を共にする仲間へ
株田と当社株式会社GenerativeX(以下、GX)との関係は、代表の荒木(代表取締役CEO荒木 れい)や共同創業者の上田(取締役CAIO/共同創業者 上田 雄登)らとの個人的なつながりから始まった。「元々大学院の友人で、卒業後も仲良くしていたので、GXを立ち上げたときから話は聞いていました」
転機となったのは約1年前だった。「初期のころから会社を立ち上げた話も聞いていましたし、オフィスに遊びに行ったこともありました。本格的に参画しないか、という話をもらったのは1年前ぐらいですかね。それまでとはちょっと違うトーンで参画の話をもらえるようになりまして、その時多分事業に手応えを感じていたので、というのもありつつですかね」
転職への決断は、AI技術の急速な進歩が背景にあった。「私自身も前職を退職するつもりはなかったんです。想像以上にAIの進化が早いので、今一緒にチャレンジするのがギリギリのタイミングだなと思い、参画することを決めました」
”おおらかさのある”実践的な数学からビジネスへ
株田のバックグラウンドは、理系でありながら実用性を重視するユニークなものだ。「私自身はTMI(東京大学技術経営戦略学専攻)出身ですが、大本をたどると工学部の計数工学科という応用数学的な学科の出身なんです」
計数工学科の特徴は「いわゆる純粋数学をやるんじゃなくて、本当に使える数学をやるんです。統計とか機械学習とかもそうですし、機械学習とかグラフ理論とか、そういう"純粋数学に比べれば多少はおおらかな数学"を扱う学科」という。こうした実用的な数学のバックグラウンドが、生成AI理解における基盤となっていることは間違いない。
転機となったのは大学院での経験だった。「大学院でやっぱり刺激を受けました。当時俯瞰経営塾という自主ゼミがあったんですけど、経営についてグループワークをしたりする内容でした。それまではビジネスについて全然知らなかったんですが、そのゼミで触発されて、結果的には新卒でコンサルに行ったのはありますね。」無駄なく振り返り語りつつ、同時にプライベートな一面も教えてくれた。
現在3歳になる娘がおり、保育園の行事に参加したり、自宅では料理を楽しんだり。音楽が好きで学生時代はクラシックギターのサークル活動に打ち込んだ経験もあり、「いずれ娘には何か楽器をやってもらいたいですね」と話す姿からは、プライベートだから、仕事だから、という線引を感じさせないフラットで誠実な人柄がにじみ出る。
キャリアの転換:ビジネスと技術の架け橋
新卒でマッキンゼーに入社し約9年間のキャリアを積む。その中でも特筆すべきは、当時の株式会社ヤフー(現在のLINEヤフー株式会社)への出向経験だ。
「マッキンゼーでは事業会社や官公庁に出向する制度があります。私の場合はヤフージャパン社に1年半ほど出向しました。」
この出向では、データ活用の最前線に触れる経験につながった。「マッキンゼーのアラムナイ(卒業生)のご縁で、CDO(チーフデータオフィサー)のチームでご一緒することができました。当時ヤフーは”データソリューション”という、プライバシー等には十分に配慮した状態で自社のデータをソリューション化する、という事業を立ち上げようとしており、その事業に携わりました。」大学時代からPythonを用いるなど技術面に触れているが、このときの経験は間違いなく、現在の生成AI領域での土台になっているだろう。
コンサルティング業界での経験についても率直に語る。「コンサル業界もだいぶ変わってきているとは言われますが、依然としてタフな面もあります。」
しかし、その厳しい環境で得られたスキルは計り知れない。「9年間のキャリアの中でも多少は鍛えられたかなと思います。言語化するみたいな点は。私に限らずですが、コンサルは基本的には複雑な物事を整理して構造化して、ちゃんと言葉にしないといけないという、そういう訓練を受けてますし、そこを鍛えられた気がしてます。」
マッキンゼーで培った論理的思考力と言語化能力、そしてヤフーで体験したデータ活用の実務経験。これらの要素が組み合わさることで、次なるステージ―生成AIという技術革新の最前線―への準備を整えていたように伺える。
かつての蒸気機関は今はChatGPTへ:歴史が動く瞬間の目撃者
生成AI分野へ踏み切った根底にあるのは、技術の歴史的意味を含め時代の変革を自身の目で最前線でみていたいという純粋な知的好奇心と映る。
「2012年に、ちょうど有名なGoogleのニューラルネットワークの論文が出て来たんですよね。YouTubeの動画をずっと学習させることで、猫という概念を教えたわけじゃないんだけど猫を認識できる、というもの。」(※1)
技術の変遷についての語り口は、単なる知識の羅列ではなく、好奇心が垣間見える。「AIブームというのは、1970年代から何回も来てるんですけども、第三次ブームを迎えて、ディープラーニング系のスタートアップというのもありました。」(※2)
言語モデルの進化については更に詳細に語る。「2018年頃にGoogleのBERTっていう、簡単に言うと、Transformerと呼ばれるアーキテクチャ(構造)を組み込むことによって自然言語処理ができるというモデルが出ていて。実はすごい精度と性能が良かったんです。けど、それが社会的なトレンドになったのは、OpenAIのGPT-3と、それを積んだChatGPTからですかね」(※3)
産業革命の再来:蒸気機関に見る技術進化の法則
事象を単に説明する、ではなく、語りに転換することができるのは、彼の持つ知識をわかりやすく比喩を用いて表現する発想の豊かさゆえだろう。生成AIの技術革新を説明する際、彼は産業革命との比較を用いて、生成AIによる変革がどれほど大きなインパクトをもたらしているかを示す。
「18世紀はじめに蒸気機関が発明されたんですよね。元々その構想ははるか昔からあったんですけど、イギリスで実用化して、最初に水をチョロチョロって吸い取った瞬間があったんです。それが多分、生成AIで言うと2018年のトランスフォーマー論文なんですよね。それっぽい回答は出てるけど、まだ実用的には使えない状態。」(※4)
「蒸気機関の場合、登場した50年後にワットが改良してめちゃくちゃ効率が爆上がりして、本当に産業が変わっていくんですけど、それが今だとChatGPTですよね」
「蒸気機関の場合ははじめの実用化からワットまで50年かかったんですけど、トランスフォーマー論文からChatGPTって4年ぐらいですから。進化のスピードのレベルが違うじゃないですか」そう語る表情は穏やかだが、内側に高揚感を秘め、心做しか声色がはずんでいる印象だ。(※5)
歴史的転換点での決断:「いよいよギリギリかな」
転機となったのはChatGPTの登場だった。「明らかに何か違う印象の挙動を示すようになってやばいな、と。ChatGPTが登場したのは一昨年だと思うんですけど、やっぱりこの波は乗らないといけないなと、そういうふうなものを感じていってました」
こうした観点もあり、前職への愛着がありながらも、GXへ参画するタイミングの重要性を感じていた。「マッキンゼーはすごく好きで、まだまだ働きたい思いもある中で、AIの進化を見ていると、あと1-2年マッキンゼーで頑張るという選択肢も自分の中にはあったんですが、今のタイミングですら、いよいよギリギリかな、みたいなものを感じて、決意したところもあります」
その決断は生成AIの未来への確信が後押しとなった。「生成AIは確実に浸透すると確信している。早く浸透するか遅く浸透するかの差はあれど、浸透しないことはない」
そんな彼の知的好奇心を最も表しているのが、日課として行っている「1日1分析」だ。o3(GPTの reasoning 特化型最新モデル)に「毎日1つ業界分析をさせているんですね。過去に自分がやった分析をAIにやり直させて、結論が同じかどうか確認してみるんですかど、AIのほうが良い結果を出せる業界もあれば、自分のほうがまだ良い結論を出せているケースもありますね」
この取り組みは単なる検証作業を超えた。「AIの能力に衝撃を受けますよね。将棋棋士が将棋ソフトに負けたときってこんな気持ちだったのかな、と想像しますね。」と語るように、技術の進歩を肌で感じる重要な実験となっている。
また3歳の娘を育てるワーキングファザーとしても、時間管理の重要性を実感している。「AIのおかげでだいぶ時間を節約できている」と語るように、生成AIを日常生活でも積極的に活用していると話す語り口から、合理的・効率化、といった単純な物差しではなく、AI進化への期待感と同時に、この流れをどう最先端でつかみ、自身のものにしていくか、という闘志も感じる。

言語の魔術師:コンサルタントの武器が生成AI時代に輝く
株田の最大の強みは、複雑な概念を明確に言語化する能力にあると感じる。この能力は、コンサルティングファームでの厳しい訓練によって培われ、生成AI時代において新たな価値を生み出すことへつながっていく。
「コンサルタントは基本的に、もう全てを言語化する訓練を受けているんですよね。曖昧さをなくして日本語でちゃんと書きましょう、と」
「”てにをは”とかもめちゃくちゃ直されました。この文章はこの単語を入れ替えた方がわかりやすい、絶対にぶれがなく伝わる、この順番だと何か解釈の余地があるけど、こうすべきだよね、とか。そういうレベルでフィードバックをもらいます」
また生成AI時代における新たな能力として、特に読解力の重要性を強調する。「生成AIへインプットする言語化能力とアウトプットの読解力が必要ですね。元々読書が得意な人は強くなると思いますね。」
「ChatGPTもそうですが、一度に大量のアウトプットを出してくるんですが、出力が多すぎて全部をすぐに読めないじゃないですか。そのアウトプットを読んで使える内容かを即座に見極めるっていう読解能力が問われると思っています。」
この厳格な言語化と読解力の訓練が、生成AIとの協働において予想以上の威力を発揮することになる。「コンサルタントの訓練が、生成AI事業においてはそれがそのままコーディングに繋がるんです。コンサルタントの若手って言ったらもちろんエクセル・パワポっていうのは必須なんですが、それと同じぐらいPythonでプログラミングするっていうのが必須ツールになってもおかしくないんじゃないかな、と個人的には思ってます」
当社のコンサルタントはコンサルティングもするが、Pythonでのコーディングも手掛ける。なぜなら生成AIによってプログラミングは誰もができるほど敷居が下がっているからだ。しかし、できることとやってみることの障壁はまだ高く、更にできることと実践的に活用することにも乖離がある。そこで肝心なのが言語化と理解力である。
そしてそれらに先立つ、物事の全体像を描き構造化して理解する力が、言語化力と読解力を更に引き上げる。「プログラミングの基本規則や、LLM自体が何ができて何ができなかが何となくわかっていることが重要」と語る。
プログラミング経験の民主化と格差の拡大
当社のコンサルタントはプログラミングスキルが求められるが、生成AIがプログラミングスキルに与える影響について、プログラミング研修中の今だからこその洞察をしている。「全くコードをかけない人は学習することが多いんですが、ちょっとコード書けるという人は生成AIによってプログラミングスキルが結構増幅されますね。元々めちゃくちゃできる人は更に大きく増幅するし、プログラミングが民主化するのと同時に、もともと触ったことがある人と、そうでない人の差が広がる方向にも確実にいっていますね。ちょっとコーディングできる人がどんどんブーストされているのが現状かな、と思ってますね」
これは開発への不安を抱く多くの人にとって希望的な話でもある。完璧な技術力は必要ないが、基本的な理解さえできれば生成AIによって大幅に能力を向上させることができるのだ。
「やってみれば何とかなるし、できることの幅が半年前と今では変わっているので、今できなくても大丈夫。生成AIが進化するので。むしろコードを全くかけない人より、少しかける人の方が、AIとの関わり方において有利になるので、やってみるといいと思いますね。」
「自分も10年ぶりに黒い画面(開発環境)に触れることになって、ちょっと大変だなって思ってたんですけど。やってみれば何とかなるし、できることの幅が半年前と今では変わっているので、その変化も感じつつ、キャッチアップを進めてます。」
特に従来プログラミング初心者の大きな壁だった環境設定についても、状況は一変している。「プログラミング初心者がつまずく環境設定も、AIが全部教えてくれるようになっている。聞いたら全部教えてくれるコマンドとか出してくれるので、それを実行するだけなので、もう革命だなって感じてます」
研修としてコーディングのキャッチアップを開始し、早速デモを完成させる姿勢に、改めて磨き抜かれたスキルを見せつけられた印象を受けるが、「誰でもできるものなので」とあくまで”生成AIのすごさ”を強調する姿勢は、他のGXのコンサルタント同様で、”GX味”をすでに感じさせる。
GXが描く組織と人物像:根性だけが生成AIと闘える
GXに適した人材についても聞いてみた。「コンサルティングファームの若手は相性が良いと思いますね。言語化する能力をひたすら鍛えられているので」と語る。
「理系出身でコーディングしたことがある人や、物事を言語で表現することに慣れている人は非常にAIと相性が良いんですよね。先ほども話した通り、AIへのインプットとアウトプットの言語化と読解力が必要なので。」
しかし、完璧を求めているわけではない。「ビジネス経験はこれから積む、という方に高いレベルは求めていないです。学んでいくことなので。ただ、フィードバックに対してオープンで素直になれるかが重要です。今できなくてもできるようになろうという意欲がある人が良いですね。」
そして技術的なスキル以上に重視するのは姿勢だ。「プロフェッショナリズムとクライアントファーストの姿勢がある人、自分で動ける人は相性が良いと思いますね。」
「細かくその指示をする会社ではなく、そもそも誰もそんな余裕はないくらい奮闘しているので、ちゃんと自分で動ける人っていうのは相性がいいと思います。」そこには生成AIの凄さを知っているからの実感がこもる。
「コンサルの最初の基礎は議事録をちゃんと構造化することなんですが、このあたりは生成AIが上回ってくるので、自分で学んでいける根性というか、根性も生成AIが勝っちゃうかもしれないですが、根気強く自分で取り組み続けられることが本当に大事だと思いますね。」
透明性と出社文化:GXが提示する生成AI時代の働き方
GXでの働き方について、二つの特徴的な文化があると感じている。一つは情報の透明性で、もう一つは出社文化だ。
GXには自社オリジナルのツールでミーティングなどを録画し、生成AIにより文字起こしと議事録が自走で作成される『REC』と呼ばれるツールを持つ。入社当初は戸惑う者もいるが、『REC』の文字起こしと生成AIがあれば、ミーティング時にメモを取らなくても資料作成や開発もできる。
※インタビューした日から1週間の間に、『REC』から自動的に開発ツールDevinが立ち上がる、過去の履歴を検索し該当する内容を提示する、など新たな機能が実装され、著しく開発生産性が上がる、など日々自社内の生成AI活用が進化していきます
「GXだと全部『REC』に残りますからね。どこかでマイナスな話をしたら、それを見られてバレてしまう可能性もありますよね。」と、ユーモアを交えながら説明する。
この透明性をGXの新しい組織運営の形として捉えている。
またGXが創業から徹底している出社文化については、戦略的な価値を見出している。「リモートで完結することは結局生成AIに負けるので、身体性という圧倒的な人間の強みを捨てるようなものなのでもったいないと思います。基本はオフィスでのコロケーションが良い。こういう時代だからこそ、横で働ける会社であることが重要ですよね」
「リモートで働いている人にSlackで依頼することと、生成AIに依頼して回答もらうことと同じですよね。」という実務的な観察も示している。生成AIがこれだけ進化する中で人間が持ちうるものは身体性であり、それをもって生成AIを使って戦うというスタンスは理にかなっているのかもしれない。
一方で、「もちろん人それぞれご家庭の事情などあるので、それは個人に応じた働き方があっていいと思っていて、決して出社以外の働き方を否定したいという意図はなくて…」とあくまで当社のスタンスに対しての見解であり、様々なシーンを想像し言葉を尽くして配慮する姿勢が、最も株田達矢という人物を最もよく表しているように感じられた。
生成AI最前線組織の手触り感:昨日できなかったことが今日できる喜び
株田さんは、GXでの役割について明確なビジョンを持っている。「技術面は最低限キャッチアップしなければならない」と語りつつ、自身の役割や組織について複数の視点で捉えている。
「コンサルティングファームでアナリスト、アソシエイト、マネージャー、アソシエイトパートナーと経験してきましたが、GXでは執行役員なので、経営面についても関わっていくつもりですし、前職の経験を生かせることがあれば還元していきたいですね。」
「採用も事業において最も重要なので選考など入っていこうと思ってます。これまではGXも創業初期だったので、同質な人材で良かったと思うんですが、組織としては多様な人材も必要だと思ってます。桑原さん(執行役員 桑原茂雄)のように大きな組織の中で変革を牽引されて来た、組織の動かし方を知っている方に参画いただいたのも大きいですよね。」そう話しながら、この先の可能性にも思いを馳せる。
既に他のコンサルタントからクライアントがどういった方なのか、エピソード含めてキャッチアップしている点は抜かりない。「クライアント様の中でも、40代、50代の方で、ITリテラシーが高い方も多くいらっしゃり、開発を学ばれる方もいらしゃいますし、冗談で「GXに転職しようかな」と言っていただくこともあるようなんですが、ものすごく良い可能性だと感じます。桑原さんもそうですが、事業を知っていて、大きな組織を動かして来た方が、生成AIを使ってコーディングしていったら、もう最強だな、と思います。」
またGXの事業方針に強く共感をしている。「GXはプロダクトを作って売るというよりは、その時々の最新のものを使ってベストのソリューションをお客さんに提供する方針」で、「ChatGPTのようなものはそのまま使ってもらう」という柔軟なアプローチに対し、「誠実にクライアントに向かう姿勢を感じます」と、組織の姿勢とそれを徹底しているメンバーたちに信頼の眼差しを向ける。
従来のコンサルティングとGXの最大の違いとして、実装までの一貫性があるからこそ、生成AIの進化を体感できるという点を挙げる。
「提案している自分たちがプロトタイプまで作るのが大きな違いですね。コンサルティングファームではそこまでやっていないので。ただ、よく言われている「コンサルは手触り感がない」というのは捉え方が違うと思っていて。企業活動の中でいろんな人がいろんなことやってる中の、どこの部分を外に任せるか、といった違いでしかないので、コンサルタントしての営み自体に手触りもあるんですよ。」
更には昨今耳にする、コンサルタントが代替される、という話題に警鐘を鳴らす。「企業経営が人間の営みである以上、人に相談したいよね、というニーズは残ります。」
「コンサルタントがやっている仕事の一つには、クライアントの現場に入っていって、生成AIが持ってない情報を取ってくる、という仕事があります。この仕事の”人の営みだからこその生々しいところ”を捉えられるか、がますます重要になってきくると思います。」そう話す声色から、自身がマッキンゼーでみてきた先輩コンサルタントの背中に対しての敬意経緯が滲む。
ではGXとコンサルティングファームと、どういった点が異なる魅力と感じているのだろうか。
「GXでは開発をしているので、毎日技術に触り格闘するので、生成AIが毎日進化していくのを体感できるんですよね、昨日できなかったことが今日はできてる、という発見が面白い。これが生成AI最前線で開発をしているからこその手探り感ややりがいだと感じますね」と、技術の最前線にいることの魅力を語る。
最後に:変革期の目撃者として
生成AIという歴史的な技術革新の真っ只中で、冷静でありながらも高揚感と探究心を抱いてチャレンジをはじめたばかり。コンサルタントとして身につけてきた専門性や、コンサル時代に学んできた先輩方への敬意、大きな歴史の流れを捉える視点と、技術への興味関心と尽きない知的好奇心。これらを鋭い洞察力と高い言語能力で語る言葉からは、変化を受容し対峙していく覚悟と未来への希望が感じられた。
「明らかに歴史に残るはずである瞬間が今起きているのに見ないっていうのは、さすがに惜しいと思う」という言葉に込められた想いは、単なる技術への興味を超えて、時代の証人として、そして次世代への責任を感じる一人の父親としての覚悟を表しているのかもしれない。
歴史的変革期の目撃者として、そして新しい価値創造の担い手としての挑戦ははじまったばかりだ。
注釈:インタビュー本文内に登場した歴史的な面をGPTが解説します。
(※1)Googleの猫論文認識実験
2012年、Googleはニューラルネットワークを用いてYouTubeの動画データから猫の画像を認識できる技術を開発しました。この研究では、Stanford大学のAndrew Ng教授が中心となり、大規模な無教師学習を活用して猫の概念を自動的に学習させました。この成果は、AIが教師なし学習で画像認識を行える可能性を示し、AI分野での重要な進展となりました。
(※2)AIブーム
AI技術の発展は何度もブームを迎えました。1970年代に初期のAIブームがあり、1980年代にはエキスパートシステムが広まりましたが、その後、AIの限界が明らかになり一時的な停滞期を迎えました。2010年代初頭には、ディープラーニング技術の登場により、AIは再び注目を集め、現在の第三次AIブームが始まりました。
(※3)BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)
2018年にGoogleが発表したBERTは、自然言語処理における画期的な技術で、双方向の文脈情報を同時に学習することにより、従来のモデルよりも優れた精度を実現しました。これにより、AIはより精緻に自然言語を理解できるようになり、Google検索やその他のアプリケーションで重要な役割を果たすようになりました。
(※4)2017年のTransformer論文
2017年にGoogleの研究者らが発表した「Attention Is All You Need」論文では、従来のRNNやCNNを使わず、注意機構(Attention Mechanism)に基づく新しいアーキテクチャ「Transformer」が提案されました。この技術は、後のBERTやGPT、そしてChatGPTに至るまで、現在の大規模言語モデルの基盤となりました。
(※5)蒸気機関による産業革命
18世紀初めに蒸気機関が発明され、最初は低効率でしたが、ジェームズ・ワットによる改良が蒸気機関の実用化を促進しました。ワットの改良により、蒸気機関は産業革命を支える主要な技術となり、製造業や輸送業などの産業構造を根本的に変えました。この技術革新が、現代の生成AI技術による変革と類似している点で語られています。
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